
空のかなたにあるものは、過去なのか、未来なのか。
はたまた、美や憧れを遠くに見るのか。
学生の頃、戦場のメリークリスマスという映画を見た。
ぇー!たけしが映画に出るの?
YMOの坂本龍一も出るの?
あのデビッドボウイが出るの?
そしてそもそも、私は戦争を知らない。
何が何だかわからないまま、見た。
「日本人はどこで間違えたのか?」という、当時の日本社会がこっそり抱え続けていた命題の存在だけは、痛いほどよく伝わってきました。
映画の内容はさておき、坂本龍一がつくった映画音楽。
私は音楽の素養を持っていないので、良いも悪いもよくわかりませんが、戦メリの曲は、記憶によく残っています。
ゆっくりした美しい旋律。
しかし彼は、なんでいつも苦虫を噛み潰したような顔をしているんでしょうね。
つくった音楽もヒットしたし、映画にも出たし、矢野顕子とも結婚したし(離婚したし)、どれひとつ取っても、もっとニッコリしていても良さそうなものですが。
きっと彼のライバルは、バッハやリストやラベルなのかな。
大変だなー。
何もわからない学生だった私が見ていた坂本龍一は、空のかなたにあるものでした。
そんな彼が、ガンと闘病しているそうです。
空のかなたの存在であることには変わりありませんが、闘病しつつも音楽と向き合っている彼を見て、彼が、抱えている自分の命題を形にできることを、私も応援できたらなと思います。
そして、私も、もう少しがんばろうかな。
まだまだ、何かできるかも。
PENTAX KP
HD-DA Macro Limited 35mm/f2.8