
(上の写真はAi-s用)

(こっちの写真はペンタックス用)
Voigtlander Nokton 58mm/f1.4 SL ZK
コシナ製の、ペンタックスKマウントレンズです。2007年発売。
レンズへの刻印はSLとなっていますが、絞りリングにAポジションがあるし、SLⅡ(CPU内蔵)が多分正しいのだと思います。
1.コシナという会社。
私が写真撮影を始めた頃(1990年前後)は、コシナは、安価なカメラやレンズを作っているOEM系の堅実な会社という印象でした。
そんなコシナが、ある日突然、表舞台に躍り出ます。
Voigtlander(フォクトレンダー)というブランド名を買い取り、Voigtlanderブランドで高級カメラや高級レンズの製造販売を始めたのです(1999年)。
最初はL39マウント(ライカスクリューマウント)の、レンジファインダー系のカメラとレンズのシリーズを中心にして、時々他のマウントのレンズも企画としてつくるという感じでしたが、その後も業界の様々な技術革新の波を乗り越え、現在の特徴ある高品質Voigtlanderブランドに至っています。
2.Voigtlander Nokton 58mm/f1.4 SL ZK
Nokton 58mm/f1.4 SL ZK(2007年)は、上記の、ちょっと企画してつくってみたレンズ、という感じだと思います。
その4年前、2003年の企画で、AUTO-TOPCOR 58mm f1.4というレンズが復刻レンズとしてつくられており(中身は新設計)、その設計を引き継いだ上でCPUを内蔵した模様です。
当時は、コシナが、これから高級路線でどんどんいくぜ!という勢いがすごかった時なので、それに対する世の中の期待もすごかったし、私も期待して購入しました。
結果、なかなか期待通りでした。MFの操作具合も良いし、CPU内蔵なのでプログラム撮影もできます。
写りも良いですねー。
色はちょっと青みがかっている印象がありますが、私の個人的な、感覚的なものかもしれません。一般的には、すごく色のりが良いという評判です。
ボケは柔らかく、合焦している部分はキリッとエッジが立ったような描写で、メリハリが効いていると思います。
四隅の周辺光量落ちがあると書いている人が多いですが、APS-Cサイズのイメージセンサーだと、周辺光量落ちはあまり感じません。
あとは、問題のAPS-Cサイズでの35mm版換算焦点距離ですね。これはラッキーなことに87mm程度。一般的なポートレートレンズの焦点距離(画角)と同等になります。これは使いやすいです。
このレンズは、絵づくりがしやすく、使いやすいMFレンズだと思います。
APS-Cサイズイメージセンサーのカメラに付けると、その特徴がさらに良い方向に働きます。
コシナの最近のレンズには、PKマウントのレンズが少ない(今はもう無い?)のがとても残念です。
コシナは、元々高かった技術力を、いろんなブランドにからめて、本当に良い会社になりましたね。
「Voigtlander Nokton 58mm/f1.4 SL ZKの作例はこちら」
(機材の写真は、デジカメWatchのHPより拝借しました。)

